2011年10月26日水曜日

今シーズン初めてのウィーンフィル演奏会

指揮はChristoph Eschenbach、バリトンのMatthias Goerneのソロで、前半はマーラーの「子供の不思議な角笛」から、ほぼ全曲と後半がベートーヴェンの8番。

「角笛」の歌詞は対話になっているところが多いのだけれどもGoerneは完全なバスバリトンで、声色の使い分けができない。

女性の台詞から始まる"Verlorne müh'!など、はじめの"Büble, wir wollen außre gehe!”と言うのがあのバスバリトンの太い声で始まると、意味不明になる。まるでジェームズ・レヴァインが小学生の男の子をナンパしているみたいだ。

"Irdisches Leben”もものすごい低音で
"Mutter, ach Mutter! es hungert mich, Gib mir Brot, sonst sterbe ich."って「ガルガンチュア物語」が始まったのかと思う。

Goerne氏のプロフィールを見ると「Fischer Dieskauに師事」って書いてある。
同じバリトンでもFischer Dieskauは、例えば「魔王」なら4人分の声色を使い分けた
(語り部、子供、父親、魔王)。

そんな訳で「角笛」はできるならハイバリトンとソプラノの2人でやって欲しい。

あまり好きな指揮者(というかピアニスト)ではないし後半はもしだらだらしたテンポだったら途中で出ていこうと思っていたけど、そうでもなかったし8番は短いので最後まで聴く。アシュケナージやバレンボイムもそうだがピアニスト出身の指揮者の悪い癖として「直接打法」が非常に多い。アクセントでもアインザッツでもいきなりその拍を叩く。そうすると遅れるから先に行こうとして速くなっていく、結果同じ音型が繰り返される様な場所ではどんどん音型が詰まっていく。これは「不均等拍」じゃなくて単に小節の最後を喰ってしまっているだけだ。

例えばこんな場所や

こんな場所


来週はプレートルの演奏会。舞台上の席を取ったのでダンディなマエストロがたっぷり見られるので楽しみだ。


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