2011年12月17日土曜日

杦山尚槐の語るユーロとヨーロッパの今後の展望


皆さんはヨーロッパ、特にドイツを中心とするユーロ経済圏にどんなイメージを持っていますか?「高度に発達した経済先進国」「メルセデス・ベンツやライカのカメラなど優れた技術力」「社会福祉や年金システムの充実」などを思い浮かべる方が多いかも知れません。しかしドイツは高額の所得税の他消費税は20%、年金や保険も日本と同様の危機に瀕しています。旧ドイツ国鉄のように赤字に苦しんでいる大企業も数多くあります。


(上の写真は1923年7月、高額紙幣の印刷が間に合わないため前の年に発行された1000マルク札の上に「10億マルク」と言うスタンプを押したドイツマルクです。わずか3ヶ月後にはインフレはピークに達し、下の写真の「100兆マルク」が印刷されました)。
ドイツは1923年、歴史に残る1兆1千億倍のハイパーインフレを起こし、その後1932年の選挙では「人類史上最も民主的」と呼ばれたワイマル共和国憲法の下で行われた総選挙の結果国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)が第1党に、ドイツ共産党が第2党に選ばれました。翌1933年、ナチスは国会議事堂に放火してこれを機会に共産党を徹底的に弾圧し、ヒットラーは総統に就任して12年にわたる独裁体制が敷かれました。

第2次大戦後廃墟から不死鳥のように復活して再び発展したドイツは、今度は東西冷戦の最前線におかれ人口1800万の「ドイツ民主共和国」(東ドイツ)は1961年東西ベルリンの間に壁を作り始めました。壁はその後東西ドイツのすべての国境線上に築かれ、東ドイツ国境警備隊はそれを超えて西ベルリンや西ドイツに向かおうとした東ドイツ人に対しては発砲するように命じられていました。800名を超える人がこの命令の犠牲となっています。

1989年、この壁が崩れて翌年東西ドイツが再統一されてからまだ21年しか経っていません。また、1923年の経済危機からもまだ90年は経っていないのです。90年、3〜4世代の間に人類の知性や自制心はそれほど進歩するものでしょうか?

そこで、この150年間にドイツを中心としてヨーロッパで何が起こってきたのか、そしてこれからヨーロッパはどうなっていくのか、在欧30年間の経験から語るユーロとヨーロッパの今後の展望、通貨、株価、不動産価格はどうなるか、文化、教育はどうなるか、また投資環境や企業の進出先としてヨーロッパにはどんな将来性があるのか、東欧や北欧までを含めて生活者の視点からお話しするセミナーを行いたいと思います。

音楽を専攻する以前、実は西洋近代史を専攻しようと考えていた私は、奇しくも1982年から足繁く当時の東独にレッスンに通うこととなり、ウィーンに拠点を置きながら東独の消滅するまでの最後の7年間を東西両方の市民の視点で見ることができました。その過程で行われた様々な経済運営上の失敗は、今回のユーロ危機にそのまま見ることができます。

二人の子供をオーストリアで育て、スーパーマーケットで買い物をし、バスや地下鉄、市電で大学に出掛けてヨーロッパ中の音楽家と共演してきた私は、毎回ビジネスやファーストクラスに乗って空港に着いたら、すぐにリムジンで高級ホテルに入り、大企業の会議室で新製品や素晴らしい経営状態についてお話しを聞かされ、一流レストランで食事をされている方とはひと味違ったお話しができると信じています。

「杦山さんに是非、生のヨーロッパのお話を聞きたい」という声が多いので
今回、指揮者講習会の合間に特別行うことにしました。

指揮者 杦山尚槐の語るユーロとヨーロッパの今後の展望
1月7日(土)午前10時から12時まで 新宿駅近くの開場を予定しています。
参加費は3000円程度の予定です。参加を希望される方は直接ご連絡頂けると幸いです。

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