2015年1月12日月曜日

日本人がレストランで奥の席に座らされるわけ

僕らがパリのカフェで奥の席に通される理由を読んで)

日本人は飲食店でも商店でも入るときに店員にあいさつしない人が多いです。ウィーンの店で”Grüß Gott!" パリの店で”Bon jour!"と言うのは店員より下手に出ているわけではなくて「さあ、客なんだから席に案内してよ!」くらいの意味があるのだけど、まったくあいさつしないのはただの感じ悪い客です。商店でもスーパーじゃなくて通常の店舗で何も声をかけずに店内に入ってくるのは怪しい人ですし、店員が声をかけているのに無視している人すらいます。注文の時でも(あるいは飛行機のCAなどにも)”Coffee"だけ言って”Please”とか"s.v.p."のない人が多すぎます。

以前、ウィーンの有名レストランで予約をして行ったのに奥の席にぽつんと座らされたという投稿を見たことがありますが日本人、特に中年以上の人はスープやパスタをズルズルすすって食べるので、周囲の客が眉をひそめることも多いのです。別に人種差別してるわけではなくて、そういう理由で自分たちが末席に通されるんだということに、そろそろ日本人は気がつくべきです。

ちなみにオーストリアにも移民や有色人種は沢山いますが、清掃員などはオーストリア人であることが多いです(大都市のタクシーの運転手は外国人が多い)。レストランでの扱いが人種差別に起因していると考えるのは少し早いと思います。

2014年6月10日火曜日

子供を連れての海外旅行について(4)



ドイツやオーストリアの鉄道は、子供連れの旅行者に非常に寛大だ。長距離を走る列車には今でも半数くらいコンパートメントの付いたものが多く、中には下の写真のようなコンパートメントを3つつなげた子供用プレイルームの付いている列車もある。コンパートメントはAbteil、日本の様に大きな一部屋の車輌はGrossreumという。

国によっても違うが両親(あるいは片親でも)と一緒に旅行する15歳以下の子供は事前に予約をすれば運賃がかからない場合が多い。最近は通常料金の他にインターネット予約の割引があって、この方が断然安い。これはフランスも同じだ。


コンパートメントはよほど混み合っている場合以外は家族で独占できるので、子供が騒いだり泣いたりしても気にならないし小さい子供連れ(Kleinkindabteil)や女性専用のコンパートメント(Damenabteil)もある。ドイツのICEやオーストリアのRailjetの様な新型の車両は速度は速いがコンパートメントがない。子供連れで長時間移動する場合はECとかICと呼ばれる少し古い型の車輌を使っている列車をお薦めする。

ヨーロッパの長距離特急はほとんどの場合食堂車が付いている。食堂車に行く場合は貴重品などは座席におきっぱなしにしてはならないが、トランクなどは置いておいても構わない。気になる場合は次の駅までの間隔の長い区間で行けば食事をして戻ってくるくらいまで次の駅に停まらない場合もある。但し食堂車のウエイターやウエイトレスは非常にのんびりしているのでなかなか食事が出て来ないことも多いので、時間に余裕を持って食事に出掛けて欲しい。

2014年6月7日土曜日

子供を連れての海外旅行について(3)

目的地や日程を決める際にはケチらずに直行便を使った方がよい。特に10日とか2週間とか言う日程が長すぎると感じる場合、例えばお盆休みを使っても9日しか休めないのだったらそのうち実質3日は完全に移動日だと考えておいた方がよい。その場合は片道20時間もかけてヨーロッパに行くような旅行はお薦めしない。東南アジア、オーストラリアあたりに直行便で行く方がずっと楽だ。出発前や帰国後にすぐ出勤しなくてはならない方ならなおのこと。長旅は子供が少し大きくなってからでも遅くはない。

しかし、休みが長めに、しかもある程度フレキシブルに取れる方にはヨーロッパをお薦めしたい。子供連れの旅行者に非常に寛容で、子供連れ用のファシリティも充実しているからだ。
これは直行便がまったく取れなくて、コペンハーゲンを経由してウィーンまで飛んだときだが、我が家では歩けるようになったら少しでも自分で荷物を持ってもらう。哺乳瓶やおむつ、おしぼりにお手ふきくらいでも、子供が使う物は子供が背負っていると、いつでもすぐに取り出せて楽だ。大人はただでさえトランクの他ベビーカーやベビーベッドがある(もっともそれらも現地でレンタルすることもできる)ので、子供の物は必要なときにすぐ出せるところにあるといちいち荷物の底の方を捜さなくて済む。
さて、これから先は主にヨーロッパでの子連れ旅行について書いていきたいと思う。

2014年6月3日火曜日

子供を連れての海外旅行について(2)

小さな子供連れの海外旅行には便利なアイテムが2つあるが、どちらも結構かさばる。
一つは折りたたみのベビーベッド。これがあると、大人はゆっくり眠れる。だたし子供というものは必ず脱出を試みるので、安定の良い場所、周囲に危険なもののない場所を探さないと落ち着いて寝ていられない。
食器棚やストーブの近くなどは絶対避けて下さい。






次にベビーカー、これは様々なサイズがあって折りたたみでも小さくなるものもあればそうでないものもある。海外に行く場合は砂利道や石畳などの道も多いので、車輪の直径の小さいものは引っかかったりガタガタしたりする。私はリサイクルショップで三輪タイプのものを買った。これは車輪の直径は大きくて良いが、かなり重い。
どちらも機内には持って入れないので、ドアサイドの荷物として預けることになる。子供用のアイテムは計量の際多少大目にみてくれることも多いが、この辺は航空会社と言うよりはその日のカウンターの係の人の裁量に任されるようだ。

子供を連れての海外旅行について(1)

2012年12月30日日曜日

ヴェブレン効果

「自動車や時計など、同じ機能でもあえて高い価格のモノを選んでしまうことがある。その理由は人間の見栄や安心感」。
「このように、その商品のもつ機能や品質とは別に生まれる価値のことを『消費の外部性』という」。


そういう現象があることは知っていたが、呼び方は知らなかった。
(あえていうなら「経済外的要因」と言っていた)。

日本車など日本製品が海外で売り方を失敗しているのではないかと思う最大の原因は「安くて性能の良い日本製」という高度成長時代からのイメージが定着していること。これでは円高になると売れない。

かといってその逆を行ったライカのカメラなどは結局手作りでしかできない究極の高級品を目指したが結局潰れてしまった。コストに対して汎用性が低すぎたのだ。ベンツやベーエムヴェーは相当悪趣味なデザインでもチンピラのお兄さんによく売れる。

「安くて良い」を徹底的に追及するとニトリやユニクロの様になるけど、どうやら同業他社を圧迫してこれまた評判が良くない(イケアは安くてデザインも良いが、まわりを見ているとどうも組み立てるのがめんどくさい、またはうまく組み立てられない人がかなり多く、これで苦戦するだろう。日本にはDIYの伝統が欧米ほどないのだ)。

「スノッブ」という言葉は「なんちゃって上流・インテリ」を揶揄することばでしかないので、ネガティブなイメージしかないが。

余談だが、テレビのコマーシャルや新聞や雑誌の広告を見てものを買ったことは、今まで数えるほどしかない。通販は最近ある程度あるが、これはこちらからカタログを取り寄せたり、HPを見たりして買っている。ほとんどは口コミや、実際に通りかかった店で実物を手に取って買う。

私の様なタイプの人間が増えると、既存のコマーシャリズムは通用しなくなって行くのだろうが、その心配はあまりなさそうだ。


2012年10月22日月曜日

セルパン、オフィクレイド、バスホルン

昨今、オーケストラで再びセルパンやオフィクレイドが使われるようになってきました。

ベルリオーズの「幻想交響曲」にはオフィクレイドのパートがありますし、ワーグナーも「リエンチ」でセルパンとオフィクレイドを、メンデルスゾーンも様々な作品に「セルパン」「オフィクレイド」「バスホルン」などを指定しています。

最近、初期ロマン派の作品を演奏する際に金属製、または木製に皮をかぶせた黒いヘビ型のセルパンを使っているのを見かけますが、残念ながらこの時代のセルパンって言うのは、こういうヘビ型の物じゃないのです。金属製のベルがあって、俗にロシアンバスーンとよばれる、かなりオフィクレイドに近い物です。

教会ではヘビ形の物が19世紀中頃まで使われていましたが、オーケストラで使われたのはこんな形の物です。
名称も「オフィクレイド」「ロシアンバスーン」「バスホルン」などと定まりません。金管楽器ですが、基音から実用音域で、低い倍音を使います。管体の構造と材質から余り輝かしい音はしませんが、ヘビ型のセルパンはロマン派の作品には向きません。他の楽器と余りに性能が違うからです。

19世紀中頃までは楽器の名称に様々な齟齬があるし、実験的に少数作られたり一度しか作られなかったような楽器、特定の地方で使われていたけど、他の地方ではまったく使われないものなども多かったのです。

「セルパン」というと、一番上の写真の物だと思い込まれてしまいますが、メンデルスゾーンの頃にこういう楽器をオーケストラで使ったとは思いません。
セルパンの音はこんな感じです。

メンデルスゾーンは「真夏の夜の夢」でも「オフィクレイド」を指定していますが、「宗教改革」のセルパンパートはossiaコントラファゴットになっています。そういう例はワーグナーの「リエンチ」などでもあって、いずれもバスホルン(ロシアンバスーン)で演奏されたと思われます。19世紀中頃にはボンバルドン、その後にはトゥーバに置き換えられていきます。それらも今日の物とはかなり違います。
 そうやって音楽が変わっていくこと自体は、面白いと思います。シューマンやメンデルスゾーンはバッハのシャコンヌにピアノ伴奏を付けて演奏したりしていますから。但し、正しい知識為しに楽器を選ぶと何だか訳のわからないことになります。

非常に問題なのは、ヴァルブ装置ができるまでのF管やG管のトロンボーンが非常に難しかったため、バス記号の下の音域にはよくこうしたバスホルンなどが当てられました。そして、時代と共にトロンボーンがはるかに下の音域まで早いパッセージを演奏できるようになっても、作曲家は当時の慣習に従ってトロンボーンパートの4番目の声部をオフィクレイド、ボンバルドン、のちにはトゥーバのために作曲しました。ところがこれらの楽器達はまったく違う変遷を経て、太い口径と大きなベル、大きなマウスピースで演奏するモダントゥーバに置き換えられてしまいました。こうしたことは各楽器で起こりました。その結果、20世紀初頭にはオーケストラの楽器管の音量バランスが、18世紀から19世紀中頃までの作曲家が想定していたのとは大きくずれ始めるのです。例えばモダンのピッコロ、トゥーバ、ティンパニなどの音量には他の楽器は太刀打ちできません。管楽器全体がセクションとしてオルガンのように響くことはなくなってしまったのです(こうしたバランスを作るのは本来指揮者の責任なのですが、そもそもそういうバランスを聴いたことがなければ、モダンの楽器を見て正しいバランスをイメージするのは難しいことなのです)。

オフィクレイドの演奏が聴けるリンクをいくつかご紹介します。
フンメルのピアノとオフィクレイドのためのソナタ
http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&NR=1&v=hGBmqthNjOs
これはオフィクレイドによるアンサンブルです。
http://www.youtube.com/watch?v=XUS-NJ8nSnIはじめのセルパンの音色とどちらがロマン派の作品に適しているかはこれらを聴いてみればおわかりになると思います。