2011年11月6日日曜日

最初の授業


さて、そうこうしているうちに10月28日、最初の授業の日になった。
事務にも用事があったので早めに学校に着いたが、なかなか教室がわからない。
私が学生をしていた頃は「ウィーン国立音楽大学」ってどこにあるの?
って訊かれると「ウィーン中」とか相手の期待を裏切る様なことしか言えなかった。




私が主に通っていたのは1区のSeilerstätteだけど和声など理論の授業は同じ1区の
Singerstrasseだったけど、ピアノ科や図書館、事務手続きはLothringerstraße
オペラの授業などは14区のPenzinger Straße、オーケストラの授業とかだと最後の方はMusikvereinの舞台だったりもした。

今はSingerstrasseもあるけれど、ほとんどの授業やレッスン、合奏やオーケストラは
3区のAnton-von-Webern-Platzに移った。元々ウィーン大学の畜産学部だかがあったところだが、町中なので動物を飼うのには都合が悪くて引っ越した跡地が音大に回ってきたらしい。

それにしても古い建物を改造した本館の裏にいきなり立派な新館の校舎ができて、いったいどこからお金を持ってきたんだろうという感じ。中庭にはベンチもあるけど、どう見ても日光浴に使う様なベンチ。ちなみにご丁寧に喫煙所が設けてある。

さて、授業開始は12時のつもりだったが実際は12時15分だった。しかしお陰で最前列に席が取れる。最初の1時間は器楽の学生達と一緒で、次は指揮科の学生達と一緒だ。

授業が始まってわかったのは、はっきり言って授業の内容が極めて濃くて、レベルが高いこと。それと、実は「先週はない」ときいていたのに、21日も授業があったらしいこと(涙)。器楽の学生達と一緒の方は中世以降の器楽合奏のスタイルや使われた楽器の種類、コンセプト、楽器の特性によるアンサンブルの違いなど。

指揮科の学生達と一緒の方は、ギリシャ以降の声楽や器楽の扱われ方や音律の変化、それによる和声感、解決の仕方の違いなどだ。

学生達は古楽以外に音楽史もやったばかりだろうからよくわかっている人が多い様だが、こちらはしばらく遠ざかっている(というかそもそも初めからとばされてしまった物も多い)こともあってノートルダム楽派からアルスノヴァ、フランドル楽派などと言う繋がりが頭の中にぱっと出て来ないし「ギョーム・ド・マショー」なんていわれても"Guillaume de Machaut"なんていう綴りがわからないので、適当にノートを取る。

やはり興味深かったのはピタゴラス音律から中全音律への変化とその結果のところで、中全音律がバロック以来の音楽の発展に大きな役割を果たしていることが力説される。

ここでハーモニーディレクターでもあれば実際いろいろな音律を試しながら授業ができて楽しいのに、などと考えるのは私だけか?

ともかく、教会典礼、数学的な計算もかなり出てくるので頭がフル回転になる。
次回は古典調律の話などもされるらしい。




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