2012年1月18日水曜日

メトロノーム

最近電子式の物が多いが、私は昔ながらの機械式を愛用している。欠点は少々音がうるさいこと。電子式のピコピコはあまり大きな音は出ない物が多い。まあ、欠点は長所でもある。

テンポの話を始めるときりがないが、一昨日宮大工の市原善次郎さんと飲みながら話していて手斧(ちょうな)で木をハツる話になる。市原さんが西岡常一さんの下で働いていた時、良く兄弟子達と大勢で手斧をかけたのだそうだが、その時に大事なのがリズム、はじめにかけ始めた兄弟子のリズムのちょうどまん中で叩くようにみんなで打ち込んでいくそうだ。このリズムが崩れると怪我のもとだそうで、誰かが節に当たったりすると他の人がリズムだけ取って待っていてくれる。みんなのリズムが揃うと仕事をしていて実に楽しいという。

割り箸の後ろ側でテーブルを叩くとまさに「テンポ・ジュスト」!一緒にうちを見に来たお弟子さんに「ちょっとやってみな」と言って やってみるがうまくできない。私がメトロノームを出してくる。もう一度やってみる。

私は指揮者だからメトロノームと一緒でも半拍ずらしでも1/4でもできるが、これは意外と難しい。そしてまさに指揮を勉強するすべての人に「1日15分で良いからやって下さい」と言っている、その練習である。